2026年4月3日、私は生後1日のヒヨコを迎え、初めてニワトリの飼育を始めました。
現在は22羽のニワトリを育てています。
これまで猫の保護活動をしてきましたが、ニワトリを飼うのは初めてです。
最初は室内の衣装ケースで育て、約1か月後に屋外の鶏小屋へ移動。8月には初めて卵を産んでくれました。
この記事では、なぜニワトリを飼おうと思ったのか、ヒヨコの育て方、鶏小屋の工夫、実際に飼育して感じたことを紹介します。
ニワトリを飼おうと思った理由
私は以前から猫の保護活動をしています。
しかし、活動を続けるなかで、ある疑問を持つようになりました。
「猫だけが幸せになれば、それでいいのだろうか」
もちろん、行き場のない猫たちを助けることは大切です。
ただ、同じ動物である牛や豚、ニワトリなどの畜産動物にも目を向ける必要があるのではないかと思うようになりました。
特に気になったのが、日本の採卵鶏の飼育環境です。
日本の採卵鶏の約94%がケージ飼育
2021年の国際鶏卵委員会(IEC)の調査による推計では、日本の採卵鶏の94.3%がケージ方式で飼育されていました。
これは2023年4月18日の参議院農林水産委員会でも、農林水産省の政府参考人によって説明された数字です。
なお、この数字はケージ方式全体の割合であり、バタリーケージだけの割合ではありません。
日本では、非常に多くのニワトリがケージの中で卵を産んでいるのが現実です。
ケージ飼育には衛生管理や卵の回収のしやすさといった利点があります。一方で、ニワトリが歩き回る、地面をつつく、砂浴びをするといった自然な行動が制限されることも問題になっています。
私は、日本でも畜産動物のアニマルウェルフェア(動物福祉)の向上が必要だと考えています。
そして、ただ問題を指摘するだけではなく、自分でもニワトリを育ててみようと思いました。
当初は廃鶏を10羽ほど引き取る予定だった
実は、最初からヒヨコを購入するつもりだったわけではありません。
当初は、養鶏農家から廃鶏を10羽ほど引き取ろうと考えていました。
廃鶏とは、一般的に産卵能力の低下などによって養鶏場での飼育を終えるニワトリのことです。
しかし、養鶏農家に相談したところ、引き取りを断られてしまいました。
そこで方針を変更し、業者からヒヨコを購入して育てることにしました。
最初から、産んでくれた卵をスイーツに加工して販売する構想もありました。
ただ、いきなり大規模な養鶏を始めるのは怖さがありました。
そこで、まずは小規模で飼育を始め、春夏秋冬の1年間を通して、この土地でニワトリが無事に暮らしていけるのかを確かめることにしました。
4月3日、生後1日のヒヨコを迎える

ヒヨコを迎えたのは2026年4月3日です。
まだ肌寒い時期だったため、最初から屋外には出さず、室内で育てることにしました。
飼育場所として用意したのは、プラスチック製の衣装ケースです。
生まれたばかりのヒヨコは体温調節が未熟なので、特に保温に気をつけました。
保温器具を2つ購入して温度管理

保温器具を2つ購入し、衣装ケースに引っ掛けて使用しました。
育雛初期は35℃前後を目安に保温することが推奨されています。
特に最初の1週間は、適切な温度を維持することがヒヨコの健康を守るうえで重要です。
ただし、室温だけで判断するのではなく、ヒヨコのいる高さで温度を確認し、ヒヨコの様子を見ながら調整する必要があります。
成長に合わせて飼育場所を段ボールへ移した時期もありました。
私の場合、熱による発火はありませんでしたが、段ボールは燃えやすいため、保温電球などの熱源と接触させないことが重要です。これから育てる方には、耐熱性のある育雛設備をおすすめします。
ヒヨコ22羽の世話は想像ほど大変ではなかった
ヒヨコを育てていたときは、餌と水の交換、床に敷いた新聞紙の交換を1日4回行っていました。
22羽もいると大変そうに思われるかもしれません。
しかし、私の場合はそれほど負担には感じませんでした。
普段から保護猫や子猫の世話をしていることもあり、それと比べればヒヨコ22羽の世話は特に大変ではなかったというのが率直な感想です。
臭いについても、当時はそれほど気になりませんでした。
もちろん、毎日の掃除や温度管理を怠ってよいわけではありません。
それでも、飼育を始める前に想像していたほど難しくはありませんでした。
5月8日、屋外の鶏小屋へ引っ越し

ヒヨコを迎えてから約1か月。
5月8日に、室内で育てていたニワトリたちを屋外の鶏小屋へ移しました。
鶏小屋を作るにあたって重視したのが、野生動物への対策です。
イタチなどの侵入を防ぐための工夫
ニワトリはイタチなどの野生動物に襲われることがあります。
そのため、簡単に侵入されないよう頑丈な小屋を作りました。
特に気をつけたのは地面からの侵入です。
地面に穴を掘って下から入り込まれないよう、プラスチック製の板を地中に埋めました。
もちろん、これだけで絶対に安全とは言い切れません。今後も侵入の形跡がないか確認しながら、必要な対策を続けていきます。
夏の暑さと雨への対策
ニワトリは暑さによって熱中症になることがあります。
そこで、夏場でも完全に日陰になる場所を確保しました。
また、雨に濡れないように屋根も設置しました。
ニワトリが自由に動ける環境を作りながらも、暑さや雨から身を守れる場所を用意することを心がけています。
初めて雑草やミミズを見たニワトリたち
屋外に移したとき、特に印象に残っている光景があります。
それは、初めて目にする雑草やミミズに、ニワトリたちが大喜びしていたことです。
地面をつつき、食べ物を探し、自由に動き回る。
ニワトリには、こうした行動ができる環境が大切なのだと改めて感じました。
飼育を始めた理由が動物福祉への問題意識だったこともあり、こうした姿を見ることは私にとって大きな喜びでした。
農地で鶏小屋を作るには法律の確認も必要
今回、鶏小屋を設置したのは農地です。
農地の場合、自由に建物を建てられるわけではありません。
農地法などの規制が関係してくるため、鶏小屋の構造や利用方法について一つずつ確認する必要があります。
農業用施設だから何でも建てられるというわけではなく、土地の条件や施設の内容によって必要な手続きが異なります。
これから農地で養鶏を始めようと考えている方は、事前に自治体の農業委員会などへ確認することをおすすめします。
8月5日、初めて卵を産んでくれた

4月3日に生後1日のヒヨコを迎えてから約4か月。
8月5日、初めて卵を産んでくれました。
最初の卵は小さなものでしたが、成長するにつれて、今では普通のサイズの卵を産むようになりました。
私にとって、ニワトリたちはそこに生きているだけでも尊い存在です。
それなのに、卵まで産んでくれる。
私たちは普段、スーパーで当たり前のように卵を購入しています。
しかし、その卵を産んでくれるニワトリにも、一羽一羽の命があります。
自分でヒヨコから育てることで、そのことを以前より強く感じるようになりました。
この感覚がもっと世の中に広がってくれたらと思っています。
まずは1年間、22羽が無事に暮らせることを目指す
2026年10月現在、飼育を始めて約半年が経ちました。
これからの課題は冬です。
春から夏にかけての飼育は経験しましたが、冬の寒さはまだ未知数です。
特に心配しているのが、飲み水の凍結です。
寒さで水が凍り、ニワトリが必要な水を飲めなくなるようなことは避けなければなりません。
寒さによる体調不良にも注意しながら、鶏小屋の環境を整えていきたいと考えています。
今の目標は、まずこの22羽が四季を通じて無事に暮らせることです。
そして、1年間の飼育を通して安全に育てられる環境を確認できたら、次は100羽規模の養鶏に挑戦したいと思っています。
まとめ|ニワトリを飼って感じた命の尊さ
ニワトリの飼育を始めたきっかけは、日本の畜産動物の福祉について考えるようになったことでした。
当初は廃鶏を引き取る予定でしたが、実現せず、生後1日のヒヨコから育てることになりました。
室内での保温や毎日の掃除、鶏小屋の建設、野生動物への対策など、実際に育ててみなければわからなかった経験を重ねています。
そして何より、初めて屋外で雑草やミミズをつついていた姿や、初めて卵を産んでくれた日のことは、とても印象に残っています。
まだ半年ほどの経験しかありませんし、これから冬という大きな課題もあります。
それでも、ニワトリは卵を産むためだけの存在ではなく、それぞれが大切な命であるという思いは、飼育を始める前よりも強くなりました。
まずは22羽のニワトリたちが無事に1年間を過ごせるように。
そして、いつか100羽のニワトリたちが安心して暮らせる養鶏場を作ることを目指して、これからも試行錯誤を続けていきます。
参考資料

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