ニワトリというと、卵を産む家畜というイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし、実際に飼育してみると、想像以上に人懐こく、さまざまな行動を見せてくれる動物だとわかりました。
私は2026年4月から、ごとうもみじ11羽、ごとうさくら11羽の合計22羽を育てています。
生後1日のヒヨコから育て、5月8日に屋外の鶏小屋へ移しました。
現在は土の上を自由に歩き回れる環境で飼育しています。
この記事では、実際に半年ほど屋外飼育を続けてわかったメリットやデメリット、ニワトリたちの意外な行動、飼育するうえでの注意点を紹介します。
屋外飼育で驚いたニワトリの3つの行動
屋外で飼育を始めてから、ニワトリに対する印象が大きく変わりました。
特に驚いたことが3つあります。
1. 思っていたよりも高く飛ぶ
ニワトリはあまり飛べない動物だと思っていました。
しかし、実際に育ててみると、想像以上に高く飛びます。
そのため、鶏小屋を作るときには、地面や周囲を囲うだけでなく、上部からの脱走についても考える必要があります。
私の鶏小屋では、全体をネットで囲っています。
ニワトリは飛べないから低い柵だけで十分、と安易に考えない方がよいと思います。
2. 土を嬉しそうに掘る
屋外に移して印象的だったのが、ニワトリたちが土を盛んに掘る姿です。
足で土をかき、くちばしで地面をつつきます。
屋外に出したばかりの頃は、初めて目にする雑草やミミズにも大喜びしていました。
こうした地面をつついて食べ物を探す行動は、ニワトリの自然な習性の一つです。
実際にその姿を見ると、自由に体を動かし、土に触れられる環境の大切さを感じます。
3. 想像以上に人懐こい
飼育していて特に驚いたのは、人懐こさです。
人間が鶏小屋に入ると、ニワトリたちは一斉に寄ってきます。
それだけではありません。
肩や膝に乗ってきたり、自分から体をすり寄せてきたりすることもあります。
生後1日のヒヨコから育てているためか、私が近づいてもほとんど警戒心を見せません。
一緒に過ごしていると、ペットとしても非常に魅力のある動物だと感じます。
ごとうもみじとごとうさくらでは性格にも違いがあった
現在飼育しているのは、ごとうもみじとごとうさくらの2品種です。

それぞれ11羽ずつ育てています。
私が飼育している個体では、ごとうさくらよりもごとうもみじの方が人懐こい傾向がありました。
もちろん、すべてのごとうもみじが人懐こいというわけではありません。
飼育環境や個体差も関係していると思います。
ただ、実際に2品種を一緒に育てていると、こうした違いを感じることもあります。
ニワトリを単に卵を産む存在として見るのではなく、一羽一羽の性格にも目を向けるようになりました。
屋外飼育のメリット
実際に22羽を育てて感じた屋外飼育のメリットを紹介します。
自由に歩いたり土を掘ったりできる
私が屋外飼育を選んだ大きな理由は、ニワトリたちができるだけ自然な行動を取れる環境にしたかったからです。
土を掘る、地面をつつく、歩き回るといった行動を日常的に見ることができます。
もちろん、屋外飼育であれば必ず動物福祉が十分に確保されるわけではありません。
外敵、暑さ、寒さ、衛生面などにも気を配る必要があります。
それでも、自由に移動でき、過ごす場所を選べる環境を用意することには大きな意味があると思っています。
雑草を食べたり地面を掘り返したりする
もう一つ意外だったのが、鶏小屋の中の雑草がほとんどなくなったことです。
ニワトリたちは生えてきた雑草を食べたり、地面を掘り返したりします。
そのため、現在の鶏小屋の中では雑草がほとんど育ちません。
ただし、これは飼育密度や植物の種類によっても違うと思います。
また、鶏小屋の外側では雑草が伸びるため、周囲の草刈りは必要です。
ニワトリの行動を間近で観察できる
屋外飼育では、ニワトリたちが自分で好きな場所へ移動します。
地面を掘ったり、人間に近寄ってきたり、暑い日は日陰で休んだり。
こうした様子を間近で見られることも、飼育していて楽しいところです。
特に、自分から肩や膝に乗ってくる姿を見ると、ニワトリという動物への親近感が強くなります。
屋外飼育のデメリットは天候への対応
屋外飼育には魅力がありますが、大変なこともあります。
私が特に負担を感じているのは、猛暑と雨の日の世話です。
初めての台風では鶏小屋に雨が吹き込んだ
初めて台風を経験したときは、想像以上に風が強く、鶏小屋の中まで雨が吹き込んできました。
普段の雨であれば問題がなくても、強風を伴う雨は別です。
幸い、鶏たちが確実に雨を避けられるスペースを設けていたため、大きな被害にはなりませんでした。
この経験から、屋外飼育では通常の雨だけでなく、台風などの悪天候も想定した鶏小屋づくりが重要だと感じました。
真夏は日陰からほとんど出てこない
2026年の夏は非常に暑く、ニワトリたちにも変化が見られました。
夏以外の季節では、時間帯に関係なく、人間がそばにいると活発に動き回ります。
ところが猛暑の日中は、ほとんど日陰のスペースから出てきません。
口を開けて呼吸する姿が見られ、食欲も落ちていました。
鶏小屋には電気設備がないため、主な暑さ対策は日陰の確保と水まきでした。
周囲が山に囲まれており、日没する頃には比較的涼しくなるという立地条件にも助けられました。
結果として、2026年の夏は22羽全員が無事に過ごすことができました。
ただし、夏を乗り越えられたからといって、暑さによる負担がなかったわけではありません。
今後は風通しや給水環境の改善にも取り組みたいと考えています。
飼育する人間の体力も必要
屋外飼育を続けるうえで、意外と重要だと感じたのが自分自身の体力です。
猛暑の中で水や餌を交換したり、雨の日に作業したりすると、疲労が蓄積します。
特に夏場は、人間も熱中症になる危険があります。
そのため、できるだけ朝や夕方の涼しい時間帯に作業することが大切だと思っています。
ただし、鶏の飲み水が不足している場合などは、涼しい時間まで対応を遅らせることはできません。
動物を飼う以上、毎日必要な世話を続けられる体制を作ることが重要です。
野生動物や脱走への対策も欠かせない
屋外飼育では、天候以外にも注意しなければならないことがあります。
私の鶏小屋の周辺には、イタチ、アライグマ、キツネ、イノシシなどが生息しています。
特にイタチなどの小型の肉食動物は、小さな隙間から侵入し、ニワトリを襲うことがあります。
そのため、鶏小屋の周囲をネットで囲い、地面にはプラスチック製の板を埋めて、下からの侵入にも対策しています。
また、電気柵も設置しています。
雑草がネットを破って脱走したこともある
実際に飼育していて、一度脱走トラブルを経験しました。
鶏小屋の外側に生えた雑草がネットに絡まり、ネットを破ってしまったのです。
その破れた部分からニワトリたちが脱走しました。
幸い、全員戻ってきたため、大きな事故にはなりませんでした。
しかし、この経験から、鶏小屋の周囲の草刈りや設備の点検が必要だと強く感じました。
屋外飼育では、動物たちが自由に過ごせる環境と、外敵や脱走から守る設備の両方が欠かせません。
ニワトリを育てて改めて感じた動物福祉の問題
私は以前から猫の保護活動をしています。
その中で、猫だけが幸せになればよいのだろうか、という疑問を持つようになりました。
牛や豚、ニワトリなど、畜産動物の福祉についても考える必要があると思ったことが、養鶏を始めた理由の一つです。
日本では現在も、多くの採卵鶏がケージ方式で飼育されています。
ケージ飼育には衛生管理や作業効率などの利点がありますが、歩き回る、土を掘る、砂浴びをするといった自然な行動が制限されるという課題もあります。
実際に22羽を育ててみて、私はこうした問題を以前より強く感じるようになりました。
鶏たちは土を掘り、人間に近寄ってきて、肩や膝に乗ってきます。
一羽一羽に命があり、それぞれの行動や個性があります。
そんな姿を見ていると、安い卵を生産するために、ニワトリを一生ほとんど自由に動けないケージの中で育てることは、おかしいのではないかと思います。
もちろん、卵を安定的に供給することや、養鶏農家の経営を維持することも重要です。
それでも、卵の価格だけではなく、産んでくれる鶏たちがどのように暮らしているのかにも、もっと関心が向けられる社会になってほしいと考えています。
庭があるなら、まずは2〜3羽を飼ってみてほしい
私は、飼育環境を整えられるのであれば、一般の家庭でも2〜3羽のニワトリを飼ってみてほしいと思っています。
ニワトリは決して大規模な養鶏場だけで育てる動物ではありません。
庭があり、安全な鶏小屋を建てられるのであれば、家庭でも飼育できる場合があります。
メスは比較的静かだが鳴き声への配慮は必要
家庭で飼うなら、私はメスをおすすめします。
オスは朝などに大きな鳴き声を出すため、住宅地では近隣トラブルにつながる可能性があります。
一方、メスは一般的にオスほど大きな時を告げる鳴き声を出しません。
私が飼っているメスたちも、朝の産卵時間帯によく鳴きます。
そのため、メスならまったく鳴かないというわけではありません。
飼育する場合は、鳴き声、臭い、衛生管理、近隣との距離、自治体の規制なども確認する必要があります。
卵が生まれる過程を自分の目で見てほしい
私が家庭でのニワトリ飼育をすすめたい一番の理由は、卵が生まれるまでの過程を自分の目で確かめてほしいからです。
スーパーで売られている卵だけを見ていると、その向こうにいるニワトリの暮らしを意識する機会は少ないかもしれません。
しかし、ヒヨコから育てて、毎日世話をして、成長した鶏が初めて卵を産む。
その過程を経験すると、卵に対する見方が変わると思います。
私自身、鶏たちは生きていてくれるだけでも尊い存在だと感じています。
それなのに、卵まで産んでくれるのです。
自分で飼育することが、日本のバタリーケージ飼育について考えるきっかけにもなると思っています。
もちろん、すべての人がニワトリを飼えるわけではありません。
飼育が難しい場合でも、卵がどのような環境で生産されているのかを知ることから始められると思います。
まとめ|屋外飼育は大変だが、鶏の魅力を知ることができる
22羽のニワトリを屋外で半年ほど育ててみて、さまざまな発見がありました。
想像以上に高く飛ぶこと、土を嬉しそうに掘ること、人間に自分から近寄ってくること。
飼う前には知らなかった一面をたくさん見ることができました。
一方で、猛暑、台風、野生動物、脱走など、屋外飼育ならではの苦労もあります。
安全な鶏小屋を作り、毎日適切な世話を続けることは欠かせません。
それでも、私にとって鶏たちと過ごす時間は非常に価値のあるものです。
これからも22羽が安心して暮らせる環境を整えていきたいと思っています。
そして、ニワトリは単に卵を産むための存在ではなく、それぞれに命がある動物なのだということを、もっと多くの人に知ってもらえたらうれしいです。


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